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歌舞伎町コマ前人生劇場

たがい
15年3月31日(月)西口プロレス

私、焙煎TAGAIは新宿歌舞伎町コマ前で働いています。
仕事とは客引き、ひたすら、人に声をかけて、
お店に来てもらうというものです。
そんな仕事をしてるため、
歌舞伎町コマ前の夜の出来事は常に見てるわけで、
そんな出来事の一部始終を書いてみました。

8月18日(月)
私は恋愛ドラマが大好きだ。
いつも主人公のモテっぷりを羨ましく思う。
そうしてついつい見てしまうのだ。
私は人生でモテたことが一度もない。
ただ、あの場所を除いては、
そう、あの場所とは歌舞伎町コマ前のことだ。
私は、ここ歌舞伎町コマ前ではとてもモテる。
しかも女性ではなく、
女性の姿をしている男性に大変よくモテるのだ。
だから今日は私とニューハーフの方々のラブストーリーでも書いてみようと思う。

まず始めはひとみちゃんである。
彼女、もとい、彼シゲオを初めて見た時は女としか見えなかった。
初めて会った時に、パンツを見せてくれて、胸も触らしてくれて、
私は普通に興奮していた。
そして男と知った時も関係なく興奮していた。
ニューハーフが一番いらないものを私はフル活動させていた。
その出会いからひとみちゃんとよく会うようになり、遊ぶようになった。
その中で、私より仮面ライダーに詳しいことがわかり、
年を聞いてみたら、私より2つも年上だったことが判明した。
道理で詳しいはずだ。
ニューハーフおそるべし。
ある日突然ひとみちゃんが私の家に来たいと電話してきた事があった。
そして、その夜、ひとみちゃんが私の家に遊びに来た。
私はそのとき覚悟を決め、
今日という日を人生のターニングポイントにすることにした。
そして家で二人くつろいでいる時、私が、
「そろそろ寝ようか」と布団に誘うと、
「ごめん、私、タガイさんのこと男としてみてないから」と言われた。
えー俺は男じゃないのか!
なんなんだ男なのに女の心を持つ男、と、
男なのに男じゃない男の、ややこしいラブストーリーはここで終わってしまった。
その日の夜は私のターニングポイントにはならなかった。
それ以来ひとみちゃんとは会わなくなってしまった。

私はとにかくこの歌舞伎町コマ前ではもてる、ニューハーフに!
前一度、歌舞伎町コマ前でケンカした時
私が相手を倒した瞬間に、ニューハーフ5人くらいが私の周りに駆けつけ、
私を囲み「大丈夫?タガイさんケガはない?」などと、
まさにドラマのようなモテっぷりだった。
男に囲まれて私はちょっと照れていた。

こんなこともあった。
歌舞伎町コマ前でビル火災があった時、
心配して真っ先に電話してきたのがニューハーフのなみちゃんとなぎさちゃんだった。
私はとても嬉しかった。
ちなみに私の母からも電話があり、私が電話に出ると、
「おーい、生きてるか。生きてたら返事しろ」と母が叫んでいた。
もし死んでたらまず電話に出れないだろうと思いつつ。
それ以前にその火災から丸一日たっているじゃないか。
もっと早く電話しろと言いたかったが、
親の前では「元気だよ」としか言えなかった私であった。

まあ最後は私の親の話になってしまったが
とにかく、この歌舞伎町コマ前では私はモテるのだ。
それ以外ではひとつもモテないくせに。
朝が来ない夜はない・・・・・・のはずなのに。
何で私はモテないんだろう。
そうしてる間、また歌舞伎町コマ前の夜が明ける。おちまい

8月1日(金)
今日は真面目な話を書きたい。
だからエロ話を期待している人はつまらないかもしれない。

私はこの歌舞伎町コマ前で沢山の人と出会って
そして別れた。
その中で彼女も出来たり、親友も出来たりした。
人は、この歌舞伎町コマ前になぜか集まってくる。
果たして、私を含め、皆何を求めて来るのだろう。
私は歌舞伎町コマ前を色々な思いが交錯する町だと思う。
私のように客引きをしてお金を稼ごうとしている奴、
ナンパしたい奴、
逆にナンパされたい奴、
ギターを弾いて聞かせたい奴、
とにかく色々な思いが交錯している。

そう、なぜならば、この歌舞伎町コマ前には、
そのそれぞれの思いをかなえてくれるチャンスが転がっているからだ。
だから、集まってくる。
私も知らず知らずその転がってるチャンスを求めてきているのかもしれない。
私の芸人としての思いはまだ実現していない。
でもいつかは実現するだろう。
それはもしかしたらこの歌舞伎町コマ前に立ちつづけて色々な人と出会い、
いろいろな人に私の存在を知ってもらい、
いつかチャンスが向こうから声をかけてくれるかもしれないと、
甘い考えをもちつつ、
ひたすら色々な人に声をかけつづける。

まあ今日はこんな難しい話なのであまり長くかけないが、
皆さんも一度歌舞伎町コマ前に立ち、こんなことを考えてみては!
そして、また、歌舞伎町コマ前の夜が明ける。
朝が来ない、夜は無い。
だから私は今、真っ暗の夜中を、ひたすら、もがきながら、朝日を待つ。
いつか、うれる、その日まで。
かっこよすぎかな・・・・

7月17日(木)
最近私は憂鬱である。
なぜかというと心配事があるからだ。
その心配事というのはある人の誕生会に呼ばれていて
その誕生会でネタを披露しなくてはいけないからだ。
そんなことでなぜ憂鬱になるとお思いだろうが,
そのある人というのが曲者なのだ。
そのある人というのはアパレル関係ならぬ
アバレル関係の人なのだ。
そう,その道の人である。
私は,そのある人に大変お世話になっている。
いつも,この歌舞伎町コマ前では守ってもらっている。
そんなある人と、私が、なぜ仲良くなったかというと
昔そのある人のボディガードで元相撲取りの人がいて
その人と,私が歌舞伎町コマ前で相撲をとる事になったのだ。
なぜ?歌舞伎町コマ前で相撲を取ることになったかというと
その人が元相撲取りだけあって、
なかなか俺を投げ飛ばせる奴がいない、
誰でも挑戦してこいと言ったので、
誰か挑戦者はいないかと探していたら、
私に白羽の矢が立ったのだ。
私はその会話を聞いている時私に来そうな気がしたので
一生懸命に気配を消していたのに気付かれてしまった。
そして私はそのボディガードと相撲をとる事になったのだ。
こんな歌舞伎町コマ前で,しかもアスファルトの上で相撲なんて
最近の子供ですらやらない時代なのに
大の大人が相撲なんてと思いながらしぶしぶはじめた私だったが
一度行事がかえると、
そこは、プロレスラー焙煎TAGAIの闘争心に火がついた。
本気と本気のぶつかりあいだ。
そして、とうとう、私のアドレナリンは爆発した。
私はその100㎏はあろうかというその人を背負い投げでぶち投げた。
思いっきりアスファルトの上にたたきつけたのだ。
でも投げたときに私のひざが先にアスファルトについたので
軍配時には私の負けである。
大人気なく私も本気になってしまった。
その時以来,住吉の,おっといけない、そのある人は,
私のことを大変気に入ってくれた。
何かあると「おう、バイセン」と声をかけてくれるのだ。

こんなこともあった。
そのある人が私に手品を見せてくれた。
その手品というのがタバコを消す手品で,大変うまく鮮やかだった。
しかもタバコを消した瞬間、
左手の小指まで消えているではないか。
そのことを私は突っ込めもせずひたすら笑いをこらえた。
こんなこともあった。
おでこに爪楊枝を刺す一発芸を見せてくれたが,
そのようじをさしたおでこから血が吹き出てるではないか。
でもそのことを私は突っ込めずひたすら笑いをこらえてる。
なんてユニークな人だ、
と私は思いつつ、そのある人を尊敬している。
見た目は確実に人2~3人は殺しているだろうというルックスをしているのに。

こんなこともあった。
私が客引き仲間とガンダムに出てくるズゴックというモビルスーツの真似して遊んでたら
そのある人が私に近づいてきて
「おうバイセンなに俺の真似してるんだ」
そう,そのある人というのは小指だけでなく薬指もないのだ。
まさにズゴックだ。
私は背中にやな汗をかきつつ
「これはガンダムに出てくるズゴックというロボットの真似で・・・」
と、一生懸命ズゴックについて説明した。
いい大人が,40代のヤクザにズゴックについて力説している姿は
さぞ変だったであろう。

まあそんな、ある人の誕生日会はもうすぐだ。
場所は新宿のどこかのキャバクラでやるらしい。
時間は夜中の4時からスタート。
詳しくは歌舞伎町にあるSの事務所までお問い合わせください。
本当に,聞かないで下さい。

まあ,そんなこんなで悩みつつもまた歌舞伎町の夜が明ける。
その誕生会の様子は後日ここに書きたいと思います。


7月1日(火)
この歌舞伎町コマ前ではケンカが多い。
最近でこそ少なくなったがしょっちゅうある。
昔こんな事があった。
ヤクザとホストがケンカをしていて
ホストが逃げ出してヤクザが探しているとき
私はたまたまおしっこがしたくなり、ビルの隙間に入っておしっこしようとしたら
そこは普段ヤクザが鉄パイプを隠しているらしく、
2・3人のヤクザが鉄パイプを取りに来るではないか。
私は慌てて
「このビルのペンキは異常なし」などと訳わから無いことを言って
なんとか、その場にいないように、無い存在として扱われるように振る舞った。
その結果ヤクザの人達は私に気付くことなく鉄パイプを持ってでかけていった。
危なかった。

こんな事もあった。
黒人とヤクザがケンカしていたら仲間の黒人が来て一生懸命ケンカを止めているのだが、
一向にケンカが収まらないので、
その仲間の黒人はその辺にあった自転車をつかみ
「けんかはやめて」と河合奈保子ばりに叫んでその自転車を2人に投げつけた。
まさか自転車を投げつけてケンカを止めるとは。
考えもしなかった。
しかも片手で投げていた。
止めに入ったアンタが一番暴れてるじゃないか!
歌舞伎町コマ前の黒人恐るべし。

かくいう私もこの歌舞伎町コマ前でケンカしたことがある。
その時の状況は私が一人の男に声をかけたら
いきなり、殴りかかってきたのだ。
まあ、それぐらいなら心の広い私は許すのだが
こともあろうに、その男は私の大事なメガネを私の顔からはぎ取り、投げ捨てたのだ。
さすがに仏の焙煎TAGAIもその行為にはキレてしまい
その男をつかみ、アスファルトにたたきつけようとした。
そしたらその男の腰が重くなかなか投げれない。
投げようとしても投げれない。
そのたびに私のアドレナリンが出てきて爆発した。
そしてついに投げたのだ。
そしたらその男の後ろにもう一人の男がしがみついているではないか。
道理で腰が重いはずだ。
私は2人の男を投げつけたのだ。
柔道参段、コンバットレスリングチャンピオンの私に投げれない物はないと思った。
そしてその男を歌舞伎町コマ前のド真ん中でマウントポジションを取り
そのまま関節技に行こうとして
「俺は北斗神拳の使い手だ」と呟いていた。
今の世の中に北斗神拳の使い手なんかいるはずもないのに。
しかも私は興奮しすぎてそのことを全くもって覚えていない。
実は私は北斗神拳伝承者だったのか?
まあその男に新しいメガネを買ってもらい円満に解決した。

ちなみに歌舞伎町ではパンチ一発十万円らしい。
怖い相場だ。
日経新聞には載っていない相場だ。
まあ、皆さんはケンカをくれぐれもしないように気をつけて下さい。
そしてまた歌舞伎町の夜が明ける。

6月27日(金)
久々の更新です。
なかなか書くことがなく、更新できませんでした。
でもまた書くことがたまってきたので書きたいと思います。
私は知り合いが多い。沢山いる。
確かに6~7年も歌舞伎町コマ前に立っていれば
必然と知り合いが多くなるのも当然だ。
しかも私は元々知り合いが多いこともあり、
沢山の人に歌舞伎町コマ前で話しかけられる。
この前テレビに出てるような若手芸人に話しかけられ話し込んでいると、
なんであいつは若手芸人とあんなに仲が良いのだと不思議そうに私を見る。
確かに普通の客引きのあんちゃんが、
なぜかテレビに出てる芸人としゃべっているって、へんだ。
そんなことを週に一度は繰り返していると、
確かに周りから見れば、私の存在は、気になる。
あの人は一体何者なのか?と。

この前こんな事もあった。
タレントの関根勤さんが、歌舞伎町コマ前を通ったとき、
昔お世話になったことがあるので私が挨拶をしたら
関根さんが「おー最近鍛えてるらしいねー」と言いながら
私の身体をやたら触ってきた。
そしてその後10分近く格闘技の話で盛り上がった。
たかが客引きの兄ちゃんが関根勤と親しく話しているのだ。
いやがおうにも私の存在は怪しくなる。
そして「頑張れよ」と言い残し、関根さんは去っていった。
なんて関根さんはいい人なんだと噛みしめながら
私も「頑張ります」と答えた。
そして同じバイトの子がこうつぶやいた。
「互さんと仕事一緒だと芸能人沢山見れますね」
ちょっと照れながら私は「そんなことないよ」と答える。
私は心の中でちょっと自慢げだった。
日に日に歌舞伎町コマ前で私のカリスマ度は上がってきている。

後こんな事もあった。
この前知り合いの芸人が
「互くんは芸人としてよりも歌舞伎町コマ前の客引きとして有名だよね」と。
確かに客引きとして私は有名だ。
みんな歌舞伎町に来たらコマ前に来て私に会ってくれる。
ライブでは余り話をしない芸人とも
歌舞伎町コマ前ではなぜか親しくしゃべる。
これも歌舞伎町コマ前マジックなのか。
皆さんも歌舞伎町コマ前に来たら
必ず、この私焙煎TAGAIに会いに来て、声をかけて下さい。
初めての人でも「お・・・ひさしぶり」と、
全く適当な返事をすると思います。
そんなことしてる間に、また、歌舞伎町の夜が明ける。おしまい。


5月13日(火)
最近の歌舞伎町コマ前の週末は、賑わっている。
新入生や新社会人達が、騒いでいるからだ。
そして、歌舞伎町コマ前に人が騒げば騒ぐほど、多くなるのがゲロだ。
歌舞伎町コマ前には実は、多くのゲロがある。
でも、あまり気付かない。
なぜならば、多くのゲロが歌舞伎町コマ前に溶け込んでいるからだ。
馴染んでいるというか、一つの景色になっている。
だから、みんな気付かず踏んでしまう。
どんな、かっこつけたホストも、ゲロを踏んでしまっているのだ。
たぶん、海老チリを食べたであろうゲロを!
私は、ゲロをよく見て、吐いた人の体調管理をしてしまう。
この前、みどり色したゲロを吐いた人がいたので、
あたりにも恐ろしくなって、何を食べたのか聞いてみたら、
抹茶のアイスを食べたらしい。
それにしても、どんだけ食べれば、みどり色したゲロがでるのだろう。
しかも、あれはみどりというよりも、ビリジアンだった。
みなさんも、歌舞伎町コマ前来た時は、ゲロに注意してください。
あなたも、知らぬ間に踏んでいるかもしれない!
最後に、そのゲロは朝どうなっているかというと、
歌舞伎町コマ前のハトが全部食べてしまうのだ。
すごいフェチでも、そんなプレイは無いぞと、思いつつ見届けてしまう。
生きるということは、こんなにも厳しいものなんだと、
あらためて知らされた。
そんな、歌舞伎町コマ前の夜が、また明ける


4月25日(金)
久々の投稿ですみません。
私は以外に短気である。
だからすぐキレる。
それは仕事中でも例外ではない。
この前も「私は女なんだから安くしてよ」と言う女の人がいて、
あまりにもうるさいので、頭に来た私は
「そこまで言うのなら今ここで女の証拠を見せろ。
 あんたの乳首を見せてくれたら安くしてやる」と叫んだ。
この言葉はたちまち歌舞伎町コマ前に響き渡った。
そこまで言ったらその女の人は黙ってしまった。
なぜなら歌舞伎町コマ前には女の人のような男の人は沢山いるので、
見た目だけでは判断できないのだ。
しかも女だからと女であることを武器に使うなら、
そこまでの覚悟がほしいと思う。

またこの前もあまりにも100円安くしろというお客さんがいたので、
まあ、私も100円くらい安くしてあげればよいのだが、
言い方が、あまりにも腹が立ったので
その100円は私が払う、
その代わり、あなたに、文句を、言わせろ。
私は大きな声でまた言ってやった。
「お前はむかつく客だ。だから私はきらいだ。」

私は短気である。
だからすぐキレる。
短気はいけないと思いつつ、私はキレてしまう。
でも決して手を出したりケンカはしない。
なぜなら人一倍気が小さいからだ。
気の小さい人ほどよく吼えるとはこのことだろう。
みんな、歌舞伎町コマ前に来て私に生意気な口を聞くと、
おこっちゃうぞ、ガオー
なんて・・・・・
また歌舞伎町コマ前の夜が明ける。

4月12日(土)
今日の、歌舞伎町コマ前は、つり人ばかりだ。
わたしは、歌舞伎町コマ前に客引ばかりで、お客さんがいない状態をこう呼ぶ。
相変わらず、つり人ばかり。
そんな時、わたしを癒してくれるのが、コマソバだ。
冬の寒い時なんか、よく食べてしまう。
けしてうまくないのに。
ごめんなさい!うまくないけど、ついつい食べてしまう。
その秘密は、カキアゲ10円ある。
うどんは250円でトッピングの、カキアゲが10円なのだ。
どんなにデフレだからといって10円はないだろう。
ふざけすぎだ。
今、吉野屋が、牛丼一杯250円で販売しているが目じゃない。
こっちは250円あれば、カキアゲ25個たべれる。
そんなに、食えるかいと、つっこめるほど、たくさんたべれる。
たぶん、胸やけするぞ!
創業38周年記念らしくセールをしてるのだ。
しかも、もう1年くらい続いてる。
だったら創業39周年記念に、なってしまうでわないかと。
私は、思う。
まるで、いつまでも閉店セールをしている、ジーンズメイトみたいだ。
あそこも長い。
しかも、前閉店セール中にバイト募集していた。
お前はやる気なのか?やる気じゃないのか?どっちなんだ!と言いたくなった。
まあさておき、そんなことを、考えさせてくれるコマそばに、
ぜひ、足を運んでください。
もちろんまた、歌舞伎町コマ前の夜が明ける。


4月4日(金)
今日の歌舞伎町コマ前は、雨だった。
まあ、東京全体で雨なのだが、雨の時の、歌舞伎町コマ前は暇だ。
みんな足早に帰ってしまう。
そんな時、私の暇をつぶしてくれるのが、
もとい、心を癒してくれるのが、ストリートミュジシャンだ。
けっこう心地よいBGMになる。
そして、知らず知らずに口ずさんでしまう。
密かにわたしが、ハモっているなんて、
ストリートミュジシャンも気付いてないだろう。
そして、中にはオリジナルソングを、歌う人がいる。
その、オリジナルソングは、いつしか歌舞伎町コマ前に定着してくるのだ。まず私達が口ずさみ
しまいには、黒人さんやホームレスまで、口ずさむ。
けっこうヒットしてるのだ。
まあ、たいして良い歌でも無いのに。
たぶん歌舞伎町コマ前の、カウントダウンTVでもやったら、
第一位は浜崎でもなく、SMAPでもなく、そのオリジナルソングだろう。
それぐらい歌舞伎町コマ前には、定着してるのだ。
ぜひ、そんな歌を、聞きに来てほしい!
あなたも、トリコになるかも。


4月6日(日)
私は、仕事中よく差し入れを貰う。ありがたいことだ。
ジュースやおかしアメなどだ。
しかも、まったく初対面の人からも貰う。そんなに貧乏そうに見えるのだろうか?なかには、飲みかけや食べかけの物を、くれる人もいる。
そんなのゴミじゃねいか!と思いつつも笑顔でいただく。
最近は、ホームレスの方にも、差し入れをいただくようになった。
ホームレスから見ても、私は貧乏そうに見えるみたいだ。
それは、悲しむべきなのか、喜ぶべきなのか?まあ、よいとして。
ホームレスからの、差入はだいたい食べた。
酒のツマミやカップラーメンなどだ
しかし、一度だけ食べれなかったことがある。
それは、さばの味噌煮を出された
時だ。どっかのスーパーで拾ってきたと思われる、パックに入った代物だった。
しかも、あきらかに賞味期限は切れていた。さすがにそれは、食べれなかった。
だから、ごめん。これは、食べれないわ!と断ると、
寂しそうにそのホームレスは、そうだよなと、呟いて去って行ってしまった。
私は、悪いことをしたと思い、次の日、そのホームレスにプレゼントをした。
中身はトレーナーだ。とても喜んでくれた。
それから2・3日して、そのホームレスに会ったのだが、
トレーナーを着てなかったので、どうしたのと尋ねたら?
パジャマにしてると言われた!
なにをー、パ・パ・パジャマ!
おまえらに、バジャマも普段着もないだろう。
普段冷静な私もこの時ばかりは、熱くなってしまった。
くそー高かったトレーナーなのに、パジャマなんて、お出掛け用の服にしろ!
歌舞伎町コマ前で、
ヒステリックグラマーのトレーナーを、着ているホームレスを見掛けたら、
そのまま寝かせてくださいね・・


4月3日(木)
今日私は人助けをした。
一人の女の子がとぼとぼ私の方に歩いてきて
「友達が酔いつぶれたので助けて欲しい」と言ってきた。
なにーそんなことならまかしとけと、
私はよっぱらいが大好きなので喜んで引き受けた。
そしてその女の子に「友達はもちろん女の子ですよね?」と尋ねた。
答えは「はい」
がぜん、私はやる気が出てきた。

1・2分歩いたら一人の女の子が道ばたで寝ているではないか。
しかもお腹を出して。
そんなところを母親が見たら「ポンポン冷えるでしょ」と怒られるはずだ。
それよりもまず先に道で寝てるところを怒られるか、
そんなことを思いつつ、女の子を担ぎ上げる。
人は力を抜けば抜く程重いのだ。
そして暴れる。
こっちもムキになり強引に担ぎ上げる。
女の子が「いたいいたい」と叫ぶのも無視して担ぐ。
まるで拉致しているみたいだ。
どっかの国もこんな風に連れて行ったのだろうか。
さりげなくオッパイとおしりを触りつつ、
そう私は担ぎながら触るのだ。
いやいや、ちがう、あたってしまうのだ。
だからわざとではない。
不可抗力なのだ。
だから私は悪くない。人助けだ。
そもそもそんなに酔っぱらうその女の子が悪い。
と私に言い聞かせ、さわる。いやいや、かつぐ。
担いでる途中に、胸とか当たると、
こっちは力が抜けてしまう。
だからこれは米俵だと思いこみ運ぶ。
ということは、これはオッパイであってオッパイじゃないのだ。
米俵だ。

無事、お店まで運び、部屋で寝かす。
その女の子は立つことも出来ず、部屋で寝ている。
私は、さっきから、たちっぱなしなのに。
そんな私は悪い人でしょうか?
そんなことをしていると、また歌舞伎町の夜が明ける。
おしまい

3月28日(金)
私はよく道を聞かれる。
特にこの仕事中は沢山聞かれる。
そんなに道に詳しそうな顔をしているのだろうか?
それとも歌舞伎町コマ前に似つかわしくない、優しそうな顔だから聞きやすいのか?
まあそんなことはいいとして、とにかく道を聞かれる。
例えば「クラブどこですか?」「この居酒屋どこですか?」など
そのたびに私は丁寧に答えるのだ。
まあ私は言うならば歌舞伎町コマ前案内所なのだ。
クラブ・居酒屋などはほとんどわかる。
うまいラーメン屋も、私自身はラーメンはほとんど食べないが知っている。
なにせ、この歌舞伎町コマ前に6年も立っている私は
あそこのラーメン屋はうまいだのあのキャバクラはボッタクリだの
その風俗はサービスがいいだの、沢山情報が入ってくる。
だから必然的に詳しくなる。
でも私が実際に行ったことがある店なんてほとんど無い。
でも、さも私は行ったことがあるかのように話す。
私はいけない人なのだろうか?
まあ、それはいいとしてとにかく道を聞かれる。

この前カップルに「いいラブホテルない?」と聞かれた時に
このカップルは30分後には夜のレスリング、ナイトレスリングをするんだろうなと思うとくやしくなる。
しかも私自身ラブホテルなんて何年も行ってないなと惨めな思いになり
ついつい、全く違う方向を指さしてしまう悪い私である。

後外国人に道を聞かれるのも困る。
こっちは一生懸命に。ライト・レフトなどと片言の英語で説明するのだが、
必ずと言っていい程全く違う方向に歩いていってしまいます。
そしてその外国人が道に迷ったら
「あいつウソおしえたなー」と、
私が悪い人になってしまうではないか。
そしてその外国人が私に復讐にきたらどうしようと
気の小さい私はびくびくしてしまう。
でも目的地につけない位だからまたこの場所に戻って来れないだろう、と思う。
だから安心だ。

それからこの時期になると「新宿駅どこですか?」と良く聞かれる。
多分田舎から出てきてまもなく初めて歌舞伎町に来て道に迷い新宿駅を探している。
なんて、なんて初々しい人だと思い、上から下からなめるように見てしまう。
でも後1ヶ月もすれば、こんな素朴な子も歌舞伎町に染まっていくんだな、と思うと、
ちょっと心が寂しくなる。
まあ私も歌舞伎町で道に迷ってみたいものだ。
そしたら歌舞伎町コマ劇前で、誰か道を教えて下さい。


3月26日(水)
このごろ暖かくなってきた。
もちろん歌舞伎町コマ前も、暖かくなってきた。
これは、歌舞伎町コマ前のホームレスにとっては、とても素晴らしいことだ!
毎年かなりのホームレスが、寒さで死んでいるらしい。
私がコマ前で仲の良いホームレスは、たくさんいる。
ゴンちゃん・カリメロ・トッチィー・山の神・ゆきちゃん等である
最後の二人は女性である。
この呼び名は、誰かが付けて、いつのまにか呼んでいる。
まあハンドルネームみたいなものだ。
私は6年間、歌舞伎町コマ前に居るので、たくさんのホームレスと話をして、
友情をかわした。
そしてそのことを、書きたい。
ホームレスにも、数々のドラマがあるのだ。
この前あるホームレスに、どうしてホームレスになったの?と、訪ねたら、
日本の政治が悪い。総理大臣が悪いんだ。と、ぼやいていた。
だから、私が日本の総理大臣にモンクを言いましょう。
と言ったら!おい!村山。と、叫んだ!
たぶんこの人は、村山総理までテレビを見ていたが、その後ホームレスになってテレビを見ていないんだなと寂しく思った。
そして、その人は、まあ人生途方にくれるなよ。と、言い残し去って行った。
あんたが、途方にくれてんだよ!と、心の中で、つっこみつつ、
私はホームレスにならなにためにもバイトに励むのだった。
歌舞伎町の夜がまた明ける おしまい


3月23日(日)
私は、映画通だ。
でも映画は、ほとんど見ない。
でも、映画通だ。
なぜかと言うと、歌舞伎町コマ前には、映画館がたくさんあり、
その看板を見ることによって
常に新作をチックできるのだ。
そして映画館から出てきた人々の反応で、
満足度がわかるのだ。
ここ最近では、スターウォーズがすごかった。
コスプレする人がたくさんいて、
中にはダースベーダーの人もいた。
でもいざ映画を見るときはそのままでは見にくくマスクをはずし、
しかも、そのマスクがけっこう邪魔で
みんなにいやがられてるはずだ。そんな苦労をしてるにちがいないと思いつつ
バイトに励む私であった。
あと、私が働いている時間は夜中なので、
よく居酒屋行ってもカラオケ行っても三千円ぐらい取られるなら、
オールナイト映画の方がいいや、よく眠れる映画ないかと、聞かれる。
はたして眠れる映画とはいかに、つまらない映画なのか?
静かな映画なのか?
とりあえず松方弘樹監督のオキテを、薦めとくのであった。
だから、オールナイトでヒットしてる映画は、よく眠れる映画なんだろう。不眠症の方おためしください!


3月22日(土)
やはり卒業シーズンと言うこともあり、学生が多い。
みんな卒業していくが、
私はいつになったらこんな生活を卒業できるのであろうか?
はたして、一生できないかもしれない、
なんて思いながら、学生のバカ騒ぎを見て、
自分も輪に入り学生の気分に浸るのであった。

今日は歌舞伎町の友達の、黒人の、山ちゃんについて書こう。
彼は黒人だか山田と言うというのだ。
どう見ても黒人なのだが山田なのだ。
そして中野区出身で日本語がとてもうまい。
この前なんか「今日はしっぽり飲もう」とか言ってた。
なかなか「しっぽり」なんて使う黒人はいないだろう。
そしていつもナンパしている。
女の子を見ると「おおきにー」と関西弁であいさつ、
中野区出身なのに関西弁なのだ。
そしてファッションがとてつもなくダサイ。
普通、黒人さんはオシャレなのにダサイ。
日本人で言うアキバ系のファッションなので、
そんな山ちゃんに会える歌舞伎町コマ前を
私は大好きだ。

ちなみにワールドカップの時、
セネガルが勝つと、
山ちゃんは、なぜだか、よろこんでいた。


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